ガラスの境界線
2010年 02月 11日
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インド最大の都市、ムンバイ。
急激な発展をしている一方、高級ホテルの裾野に広がるスラム街。
富と貧困があからさまに同居している。
これもインドの現実。
車の往来が激しい交差点の真ん中。
6、7歳の裸足の女の子。
木の枝を持って遊んでいる。
目がくりっとした可愛い女の子。
オレンジ色の服は所々黒く汚れている。
車が止まると、近づいてきた。
両手を車の窓にぺたっとつけて、エアコンの効いた綺麗な車内を無表情で見つめるだけ。
何も言わずに。
自分と女の子の距離は数十センチ。
同じ時間、同じ空間を共有しているけど、数ミリの透明なガラスが隔てている。
僅か数ミリのガラスで仕切られた全く違う世界。
時間にして数十秒。
夕日に照らされた少女の顔が、目に焼きついた。
女の子は、後ろの車に向かって歩いて行った。
木の枝を持って。
これもインドの現実。
インドの話は、これで終わり。
by yuki73h
| 2010-02-11 19:49
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